ケースメソッド教育研究所

定義・特徴

「ケースメソッド」の定義として社会的な合意を得ているものは、まだ見当たらず、世の中では「ケースメソッド」という言葉が多義的に使用されています。一般には「ケースメソッド」は授業方法を表す言葉として認知されており、「事例教材をもとにして行うディスカッション型授業」の総称と言えます。

そこで僭越ながら、ケースメソッド教育研究所流の定義として、私たちが目指している授業の外見的な特徴を捉えて表現してみました。これはハーバード・ビジネス・スクール名誉教授だったC.R.クリステンセン教授が理想としていたケースメソッド教育像に近いものであると自負しています。

外見的な特徴のリスト

  • 特定の訓練主題が埋め込まれたケース教材が、ディスカッションの誘発剤として使用されている。
  • ケース教材によって誘発された討議を行うことにより、討議のその先にはじめて存在する「学び」に到達するよう、ディスカッションリーダーが討議の舵取りを行いながら誘導している。
  • ディスカッション参加者は、全員が自律主体であり、自分たちの討議を自分たちで築き上げようとしている。
  • ディスカッション参加者は、討議への参加価値観として「勇気」「礼節」「寛容」を重んじて、協働的な態度で議論している。
  • ディスカッションの経験は容易には忘れられない思い出になり、後にケースと類似した状況に立たされたときに必ず思い出され、それがその場で求められている意思決定や行動を導くとともに、自らを鼓舞する。
  • ケースメソッドによるディスカッション授業では、講師と参加者は「教える人」と「教わる人」の関係には終始しない。ディスカッションリーダーも討議から学ぶし、ディスカッション参加者も学びのプロセスを主導する場面がある。
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